みなさま、“大衆車”はどんなイメージを持たれていますでしょうか。
・家族でドライブ
・家族和気あいあい
・法定速度厳守
・低価格
などなど。
しかし、我々のイメージをぶっ壊す“大衆車”をホンダが作ってしまいましたよ。
その車の名前は
ホンダ「シビック TYPE R」
です。
シビック TYPE Rとは
「TYPE R」とは、ホンダ車のスポーツモデルでの、最上位に位置するグレードです。
ホンダのスポーツ車全体の「代名詞」ともいえる称号で、TYPE R全社に“赤いエンブレム”が装着されています。
初代シビック TYPE R(EK9型)
初代TYPE Rは6代目シビック「EK9型」に設定されました。発売は1997年8月です。
エンジンはB16B型 1.6L 直4 DOHC VTEC (185PS/8,200rpm)を搭載し、
・最高出力:185PS/8,200rpm
・最大トルク:16.3kgf·m/7,500rpm
を発揮します。
主な装備として、
■ 走行関連装備
● メカニカル方式トルク感応型ヘリカルLSD
(リミテッドスリップデフ)
● 大径フロントベンチレーテッドディスクブレーキ
● 大径リアディスクブレーキ
● 4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション
● 大径パフォーマンスロッド
● 専用ストラットタワーバー(赤)
● アルミ製ラジエーター■ シート
● レカロ社製バケットシート(フロント)
● 5:5分割可倒式リアシート■ タイヤ/ホイール
● ハイグリップタイヤPOTENZA RE010(195/55R15 84V)
● 専用5穴アルミホイール(15×6JJ)
などの装備があります。
なお、1990年12月には、CDプレーヤー付オーディオやカーボン調パネルなどを追加して装備の充実を図った、
「タイプR·X」を追加設定しています。
2代目シビック TYPE R(EP3型)
2代目シビック TYPE Rは、7代目シビック「EP3型」に設定されました。発売日は2001年12月です。
エンジンはK20A型 2.0L 直4 DOHC i-VTECエンジンをTYPE R用に開発した、「R-spec」エンジンを搭載しています。
エンジンスペック(K20A型)
・最高出力:215PS/8,000rpm
・最高トルク:20.6kgf・m/7,000rpm
2代目シビック TYPE Rは、ホンダのイギリス法人「ホンダ・オブ・ザ・UK・マニュファクチャリング」のスウィンドン工場で生産され、日本に輸入されました。
トランスミッションは、クロスレシオ6速MTを採用しており、シフトレバーはフロア設置ではなく、インパネに配置されました。
主な装備(2代目マイナーチェンジ車両)として、
■インテリア
● レカロ社製ツートンカラーバケットシート(フロント)
● MOMO本革巻3本スポークステアリングホイール
● アルミシフトノブ(インパネシフト)
● 専用ホワイト3眼メーター
■エクステリア
● 6灯式ヘッドライト(プロジェクタータイプ)
● 専用色フロントメッシュグリル
● エアロフォルムバンパー(フロント/リア)
● 大型テールゲートスポイラー
● カラードサイドシルガーニッシュ
● TYPE R専用Hondaエンブレム(フロント/リア)
● TYPE Rエンブレム(フロント/リア)/デカール(サイド)
● U.K.エンブレム(リア)
● 赤エンジンヘッドカバー
などの装備があります。
なお、2代目シビック TYPE Rは国内ではあまり人気がでませんでしたが、海外では人気を誇り、特にイギリスのツーリングカー選手権で活躍したこともあり、人気を博しました。
3代目シビック TYPE R(FD2型)
3代目シビック TYPE R(日本仕様車)は、8代目シビック(FD2型)に設定されました。発売日は2007年3月です。
エンジンは2代目シビック TYPE Rと同じK20A型を使用していますが、吸排気系の見直しや、圧縮比の向上などにより先代K20A型エンジンより、5PS出力が向上しています。
エンジンスペック(K20A型)(国内仕様)
・最高出力:225PS/8,000rpm
・最大トルク:21.9kgf·m/6,100rpm
主な装備として
〈エクステリア〉
● 専用フロントバンパー&黒ツヤ塗装フロントグリル
● 専用リアバンパー&黒ツヤ塗装リアディフューザー ●専用フロントスポイラー&ストレーキ
● ダーククロームメッキグリルバー&ヘッドライトサブリフレクター
● 専用Hondaエンブレム(フロント/リア)&TYPE Rエンブレム(リア)
● 専用フード&フロントフェンダー ●専用赤エンジンヘッドカバー ●アルミバンパービーム
〈走行関連メカニズム〉
● 専用ハードセッティングサスペンション
● 専用18インチハイパフォーマンスタイヤ ブリヂストン・ポテンザRE070(225/40R18 88Y)
● 専用18インチ軽量アルミホイール(18×7 1/2J) ●専用黒ホイールナット
● フロントBrembo社製アルミ対向4ポットキャリパー ●トルク感応型ヘリカルLSD
● 大径ディスクブレーキ(フロント:ベンチレーテッドφ320mm/リア:φ282mm)
● フロントブレーキ用エアインテークダクト&エアインテークプレート
● 専用セッティングABS ●専用セッティングEBD(電子制御制動力配分システム)
● 専用セッティングDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ) ●油圧式パワーステアリン
などの装備があります。
なお、先代シートはレカロ製を使用していましたが、3代目シビック TYPE Rはホンダオリジナル“Rspecシート”が採用されました。
エンジンスタートスイッチは、プッシュスタートシステムを採用していて、ホンダのTYPE Rシリーズとしては、初採用となっています。
※3代目 FD2型欧州仕様車は “欧州仕様車・ハッチバック FN2型(2007 – 2012)年” を参照
4代目シビック TYPE R(FK2型)
4代目シビック TYPE Rは、9代目 (FB型) の欧州仕様をベースに開発、設定されました。発売日は2015年12月です。
生産は2代目シビック TYPE Rから続く、ホンダのイギリス法人「ホンダ・オブ・ザ・UK・マニュファクチャリング」のスウィンドン工場で生産され、日本に輸入されています。
“ニュルブルクリンクFF車両最速”を目標に開発され、2015年3月に、ニュルブルクリンク北コースで量産FF車最速タイムを更新しました。(7分50秒63)(ニュルブルクリンク北コース記録)
エンジンスペック(K20C型)
・最高出力:310PS/6,500rpm
・最大トルク:40.8kgf·m/2,500-4,500rpm
主な装備として
● アダプティブ・ダンパー・システム
● デュアルアクシス・ストラット・フロントサスペンション
● 235/35ZR19 91Yスチールラジアルタイヤ
● ベルリナブラック・軽量19インチアルミホイール(19×8 1/2J)
● TYPE R専用ホイールセンターキャップ
● Brembo社製フロント大径ベンチレーテッドディスクブレーキ(φ350mm)
● Brembo社製フロントアルミ対向4ポットキャリパー
● リアディスクブレーキ(φ296mm)
などの装備があります。
なお、購入システムには、ホームページから事前に商談申し込みを行うことになっていて、ホンダのカーディーラーでの商談は、できないことになっていました。また、ディーラーでの店頭販売もしませんでした。
5代目シビック TYPE R(FK8型)(新型)
先代までのシビック TYPE Rは、ノーマル車両を改良して、開発してきましたが、5代目シビック TYPE Rは、ノーマル車とTYPE R車両を同時に開発いたしました。
発売日は2017年9月29日に発売されました。
エンジンは4代目TYPE Rと同じK20C型を搭載していますが、エンジン制御の改良により、10PS(7kW)向上させています。
エンジンスペック(K20C型)
・最高出力:235kW (320PS)/6,500rpm
・最大トルク:400N・m (40.8kgf・m)/2,500~4,500rpm
フロントサスペンションにはデュアルアクシス・ストラット式を採用し、
リアサスペンションにはマルチリンク式サスペンションを採用しています。
新機構として、
・減速操作に合わせてエンジン回転数を自動的に調整し、自動でシンクロさせるレブマッチシステムを、Honda車として初めて採用しています。
・ドライブモードは、
サーキット走行で最適な走行設定にする「SPORT」、
ワイディングやタイトコーナーなどのスポーツ走行を楽しめる「+R」、
街中や、ロングドライブなどで、リラックスしたスポーツ走行に最適な「COMFORT」
の3つの設定が可能になりました。
そのほかにも、電子制御パーキングブレーキシステム、ポップアップフードシステム、アジャイルハンドリングアシストなど、最新の電子制御システムが投入されています。
出典:本田技研工業株式会社 YouTube公式チャンネル 新型「シビック TYPE R」ニュルブルクリンクアタック Vol.1 新型「シビック TYPE R」vs 先代モデル 走行テスト解説動画
出典:本田技研工業株式会社 YouTube公式チャンネル 新型「シビック TYPE R」ニュルブルクリンクアタック Vol.2 走行テスト車載動画
出典:本田技研工業株式会社 YouTube公式チャンネル 新型「シビック TYPE R」ニュルブルクリンクアタック Vol.3 ドキュメント動画「Drive Forever」
ドイツ、ニュルブルクリンク北コースで、FFモデル最速となる、「7分43秒80」のラップタイムを記録しています。
フォトギャラリー
先代より、トレッド幅が広く感じますけど、実際のフロントトレッド幅先は、先代FK2型が「1605mm」に対して、新型FK8型は「1600mm」と、5mm狭くなっています。
サイドから見ると、“ゴツゴツ”した感じですね。この“ゴツゴツ”した感じが、外国の人は好きなんでしょうね。
タイヤは前後とも、“245/30ZR20 90Y” を履いています。
フロントブレーキには、Brembo社製大径ベンチレーテッドブレーキディスクとアルミ対向4ポッドキャリパーを装備しています。(写真は2枚ともリヤです。)
室内は黒を基調に、赤のラインが入ることで、より“レーシー”な雰囲気を醸し出しています。
リヤウイングがとてもカッコいい!
センター出しエキゾーストとリヤディフューザーが、“ただ者ではない”感を漂わせています。
おまけ
これはシビック・ハッチバック
これはシビック・セダン
感想
Honda ウエルカムプラザ青山で、新型ホンダ・シビックタイプRの運転席に乗ってきました。
運転席のシートは、サーキット走行にも十分に対応できるような、シート両サイドが固められ、普段乗っているときから“サーキット走行”を意識するシートポジションでした。
メーターパネル類も、とても 見やすく、所々“赤いライン”が入ったパネル類は、ドライバーを“その気”にさせるには十分な雰囲気でした。
フロントマスクも迫力満点で、海外では特に人気の“ガンダム”チックな風貌は、外国の人にもきっと人気が上がりそうなデザインです。
リヤウイングも存在感たっぷりで、後ろから見るとよく計算された形状だなぁと、感心させられます。
みなさまも、実際にHonda ウエルカムプラザ青山に足をお運びになり、本物の「TYPE R」を肌で感じてみましょう。
出典:本田技研工業株式会社 YouTube公式チャンネル Fun To Drive,Honda! CIVIC TYPE R
道上龍さんが、サーキットを全開でインプレッションしてます。
おまけ
出典:本田技研工業株式会社 YouTube公式チャンネル Civic WTCC スペシャルラン
4代目シビック TYPE R(FK2型)のWTCC仕様車が、2017年のHonda Racing THANKS DAY で、ツインリンクもてぎをデモランした時の動画です。
読んでいただき、誠にありがとうございました。
またお会いしましょう!
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