オートバイ好きのみなさま、こんにちは。
皆様のオートバイは国内仕様ですか?逆輸入車ですか?
逆輸入車はフルパワーで馬力も大きくとても魅力的ですが国内仕様にはない“問題”などもあります。
その一つに「サイドスタンドの高さ」の問題があります。
今回はサイドスタンドの高さのお話をします。
国によって通行区分は違う
国によって自動車の通行区分は違ってきます。日本は左側通行ですがアメリカ、ドイツ、フランス、イタリアなどは右側通行です。
世界全体でみると圧倒的に右側通行の国が多いです。
余談ですが、日本が左側交通になった理由の一説に、刀の鞘が歩いているときにぶつからないようにするためというのがあります。
左下からはみ出ています鞘の端が左側通行ですと対面から歩いてきた侍の鞘にぶつかり争いの元になるという説です。
なるほど、武士のプライドと無用の争いを避ける知恵が左側交通を生み出したのですね。
道路の断面
道路は断面でみると若干ですが「かまぼこ型」をしています。これは雨などを道路端へ排水するために道路中心から路肩へ向けられた勾配で、横断勾配といいます。
傾斜勾配は大体1.5%から5.0%位です。
路肩に立ってみる勾配がついていることが体感できます。
サイドスタンドの取付方向
これには諸説あるようです。
・諸説1 右利きの人が多いから
世界的にみて右利きの人が圧倒的に多く、通常、バイクを起こすとき利き手の“右手”を車体に押し当てて起こします。
そのため左側を傾けさせ右手で車両を起こした方がより楽にオートバイを起こすことができます。このような理由から“左”側にサイドスタンドが付いたという説があります。
・諸説2 空気入りタイヤ発祥の地の設計者によるも
空気入りタイヤはスコットランド(イギリスの地方行政区画)の獣医師だったジョン・ボイド・ダンロップが1887年に空気入りタイヤの特許を取得し、翌年1888年に実用化に成功しました。(空気入りタイヤの発明者は1845年、スコットランド人 ロバート・ウィリアム・トムソンによるもの)
スコットランドの通行区分は左側通行です。ジョン・ボイド・ダンロップの空気入りタイヤの実用化したことで自転車や馬車が増え、停車時の安全性や路肩近辺にすぐ移動できることを考えイギリスの自転車、オートバイ設計者は左側にサイドスタンドを取り付けるようになったという説があります。
・諸説3 馬の乗り方から
馬に乗るときは古来から馬の“左”から乗馬します。馬は自転車やオートバイよりも早くから人々の移動手段として親しまれてきました。馬に変わる移動手段として自動車やオートバイが開発された関係上、オートバイも乗るときは左側から乗るという説があります。
必ずしもサイドスタンドが左側しかない車両ばかりではなく、輸出用のホンダCT200などは左右にサイドスタンドがついています。これは国の道路事情にもよるもので山岳道での駐車や過酷な道路状況に対応するためのものと考えられます。
サイドスタンド取付の国際基準の有無は探し出せませんでしたが、おおよそ各諸説に準ずると考えてよろしいのではないでしょうか。
サイトスタンドの長さの違い
国内仕様と逆輸入車のサイトスタンドの違いは国の通行区分によって違います。これは道路の横断傾斜に関係してきます。
日本の場合、道路の傾斜は進行方向向かって左側が少し下がっています。
海外の右側通行の国の場合、進行方向向かって右側が下がっています。
路肩にサイドスタンドを出してバイクを止める場合、オートバイの傾きを起こせるくらいにする必要があります。
サイドスタンドが長すぎると車体が垂直に近い状態になり反対側へ倒れる可能性があり大変危険です。また短すぎると車体が傾きすぎて起こすのに大変です。
右側通行の国では、車両の左側の横断勾配が緩く、長いサイドスタンドを使用すると車両が垂直に近い状態になります。
反対に左側通行の車両を日本で使用すると横断勾配がきつい分だけ車両が傾き、起こすのに大きな力を必要とします。
逆輸入車を日本国内で使用する場合、サイドスタンドの長さを確認し、停車させた時の車両の傾きを確認する必要があります。
最後に
いかがでしたでしょうか。サイドスタンドの長さは普段あまり気にしませんが、傾きすぎたオートバイを起こすことはかなり大変なことです。
女性の方や体力に自信がない方などはオートバイの乗り降りだけでも大変な労力になると思います。
オプションや別売りのサイドスタンドがある場合は交換をおすすめいたします。
また、車両によってローダウンキットなどが販売されており、車両全体が下がった分だけ路面と車両の距離が縮まり、結果として長いサイドスタンドを取り付けた車両と同じ効果が得られます。ローダウンキットの取付などもご検討なされてはいかがかと思います。
逆輸入車を購入する場合の確認ポイントの一つとしてご確認いただければ幸いです。
読んでくれてありがとうございました。
またお会いしましょう!
コメント